独立直後の中小企業診断士に必要な力は何か・・・・
と聞かれたから、私自身は迷わずこう答えます。
「なんでもそつなくこなせる力」
自分にできないことは外注したり人にお願いすればいいと言いますが、正直独立当初はそんな悠長なことを言っている暇はありません。
人にお願いしようと思ったら、基本的にはお金がかかります。
たくさん貯金があってお金に余裕があるのなら、できないことはドンドン人にお願いすればいいと思いますが、大半の方はそんな余裕はないでしょう。
その割に独立するとやらなければいけないことはたくさんあります。
開業手続きといった事務的なことをやらないと。
このご時世Webサイトくらいは作っておかないといけないのでWebサイトを作らねば、独立してフリーメールじゃカッコがつかないので独自ドメインのメールアドレスも作らないと…
Webサイトも重要だけどやっぱり自分を紹介する資料も必要だし、価格表も作らないといけない。
何よりお客さんを見つけるために営業もしないといけないし、実際のコンサルティングもやらないと。
公的機関の仕事にありつけたと思ったら、報告書・報告書・報告書、、、ばかりに時間が取られちゃう、、、そして「報告書、そろそろお願いします」のメールに焦ったり。
コンサルの仕事を取るためにはセミナーだ!ということで、セミナーの企画書作ったり、セミナー講師として売り込んだり、実際にセミナーやったり。
セミナーやったあとは、名刺交換した方々にお礼メールを送ったり、溜まってきた名刺の山を見てシステム化しないと…と呟いてみたり、とりあえず適当なクラウドサービスを使って管理を始めてみたり。
仕事はやっぱり紹介だ!という教えをもとに先輩診断士の会合に参加したり、研究会・マスターコースに参加したり。などなど
あげればキリがないくらい、いろんなことをやらないといけないんです。
しかも全部1人で。
大手の企業に勤めていた方だと、会社に行けばアシスタントさんがいて雑用はみんなやってもらっていたかもしれませんが、独立して自分1人になった瞬間に全て自分でやらないといけません。
ですから、独立して仕事がうまく回り始めるまでは、とにかく何でも卒なくこなせるくらいの器用さが最も重要なのです。
独立しようと思うなら、
自分でWebサイトを作ってみましょう。
自分で営業活動してみましょう。
自分でクラウドサービスの設定をしてみましょう。
自分で事業計画を作ってみましょう。
苦手な分野も、誰かに教えてもらったり、セミナーに出て勉強したりして、最後は自分でやってみましょう。
そして、仕事が回り始めたら、そこで初めて自分が注力すべきことを見極めて、人にお願いしたり外注したりすればいいのです。
器用貧乏な人ほど、独立するのにはむいているかなと思います。
最後に、ここに書いている話、お金があろうがやっぱり最初は自分でやったほうがいいと思います。
なぜなら、僕たちが支援する会社さんは必ずしもお金がある方ばかりではありません。
お金がないなど制約がたくさんある中で成果を出す支援をしようと思うと、中小企業診断士個人が持つアイデアだったりノウハウだったり、修羅場をくぐってきた経験がとても生きてきます。
ITに苦手な中小企業診断士が四苦八苦しながらWebサイトを作った経験こそが、ITが苦手だけど外注するだけの体力のない小規模事業者が心から欲するWebサイトの作り方のアドバイスに繋がるのです。
こうしたコンサルティングに繋がる経験をする場というのは、独立直前や独立直後こそ多く転がっていたなと、今になって思います。
平阪 靖規
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