私の思い出シリーズ

「わりと順調でした」~実務補習の思い出:suomi様

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先輩診断士たちに実務補習の思い出を語ってもらう企画。
今回は「suomi」様からいただきました。

はじめに

こんにちは、suomiと申します。
私は東京生まれ東京育ちですが、診断士試験の挑戦中に、東海地方に引っ越しました。
理由は、妻の実家がこちらでして、出産に伴って、子育てのために、実家の近くに引っ越したという次第です。
そんな私の実務補習についてお伝えします。
特に、地方在住の方には参考になればうれしいです。

資格登録までの道のり

基本的に独学派、というとかっこよく聞こえるかもしれませんが、授業を集中して受けるのが苦手なため、独学で準備しました。
1次試験2回、2次試験2回を経て2021年1月に診断士試験に最終合格し、その後、実務補習5日コースを2月と7月に受講+実務従事を8月に1回実施し、10月に晴れて診断士登録されました。

実務補習先企業の概要

1回目の補習先は創業約20年の人材派遣系企業、従業員数は30人程度でした。
主な経営課題は新たな顧客の開拓、営業スキルの形式知化、高齢の創業社長(約80歳)退任後の企業経営といったところ。
方策として、今後有望と考えられる顧客開拓先の分析・抽出、営業スキルの強みの棚卸と社内共有の強化に向けた取組案、退任後の方針として外部人材の招聘や事業譲渡等の可能性を検討しました。

2回目の補習先は創業100年を超える首都圏郊外の木造住宅メーカー、従業員数はやはり約30人でした。
基本的に優良企業で目に見える課題は少なかったですが、市場縮小の中でどう売り上げを伸ばしていくか、コロナを経て変わるライフスタイルにどう対応するか、建材価格高騰によるコスト高をどう乗り越えるか、といったところがポイントでした。
方策として、新築住宅事業以外のリフォーム・リノベーション市場の開拓、コロナを踏まえた郊外移住ニーズの開拓、またDXによるコスト抑制等を提案しました。

実務補習を受ける前にやった準備

2回とも、担当の先生から事前に企業概要が送られてきましたので、企業概要の把握のためにウェブサイトや企業データサイト等を確認したり、SPEEDAで業界の動向を把握したりといった情報収集を簡単に行いました。
また、私は東京で実務補習を受けたのですが、1回目は参加メンバー全員が地方在住(北関東や東海、甲信越等)だったため、初日と最終日以外はオンラインでの実施が伝えられていました。
そのため、オンライン環境の確認(zoomの接続やmiroというディスカッションツールの使用感等)を少ししておきました。

実務補習中に起きたトラブル・対応方法、苦労したこと、工夫したことなど

幸いにして、2回とも、先生やチームメンバーに恵まれたため、大きなトラブルはなく、順調に進捗し、最終報告も、概ね実習先の社長からポジティブなコメントを頂いて終えることができました。
私も含めて多くのメンバーは、平日の自習期間は休暇を取らず日中勤務していたため、終業後の作業で夜少し遅くまでの作業が続いたのは若干大変でしたが、日が回るほどのことはほとんどなく、想定の範囲内ではありました。
また、2回目は、実務補習経験者であることや、本業がコンサルタントであることから、予期せずリーダーを拝命したのですが、普段業務でやっている役割と近かったことや、チームメンバーの方々が協力的な方々だったこともあり、こちらもスムーズに進めることができました。
ただ、チームメンバーから、その後の別の実務補習の話などを聞くと、これらは運の良いパターンで、チームがまとまらずに揉めてしまったり、方針が定まらず迷走したり、結果として夜遅くまでの作業が続いたり、といったこともあるようでした。こればかりは、運もあるのと、そうなりそうな時に自分の貢献でいかにトラブルを回避するか、というコミットメントが問われるのかな、と思います。

実務補習を受けた感想(良かった点、改善点など)

良かった点は、まずやはり、チームメンバーとのつながりでしょうか。始まる前は、オンライン中心だとあまり親しくなれずに終わるかな、と思っていたのですが、逆に、実務補習中にオンラインでコミュニケーションを取っていたため、その後数か月に一度の懇親会もオンラインでやるのが自然な流れとなっており、良い関係が続いています。私の場合は周りに診断士仲間がいないので、貴重な診断士同期として、企業内診断士としての診断士活動のやり方や有効活用方法などの情報を教えてもらえるコミュニティとなっています。

また、私の場合は普段はわりと、大企業向けのコンサルティングプロジェクトが多いのですが、毛色の異なる、より短期的な成果が求められるような中小企業向けのコンサルティングのイロハを学ぶことができたのは貴重な経験でした。とはいえ、基本的なものごとの考え方や論理思考・仮説思考の使い方など、共通する部分も多く、対象企業を問わず使えるスキルの確認ができたことも、今後の自信になりました。

実務補習をこれから受ける方へのアドバイス

実務補習は補習先の社長や社員の方々の貴重な時間を頂いて実施されているので、真剣に取り組むべきなのはもちろんですが、一方で何かにチャレンジして多少失敗しても失うものがある場ではないので、あまり固くならずに色々試してみるのが良いかなと思います。
例えばですが、担当決め(概ねリーダー(経営戦略)、営業、財務、運営、組織くらいに分かれるはずです)の際に、自分の経験のない分野を選んでみるのも良いと思いますし、チームメンバーとのディスカッションの中で、思いついたことを臆せずに発してみる、というのも良いと思います(診断士を取られる方の多くは本業では一定の責任ある立場の方かなと思いますので、なかなか本業では、心理的安全性が担保されて好きなことを言える機会も少ないのでは、と)。
自分と違う経験や知見を持つ、先生やチームメンバーに、実務補習の内容だけに拘らずに色々と質問してみるのも良いと思います。
そして実務補習が終わる際には、ぜひチームメンバーと名刺交換するなり連絡先交換するなりして、その後の関係をゆるくでも持っておくのも良いと思います。
経験上ですが、チーム内に、高い立場の方などがいそうな場合は、名刺交換は最後がおすすめかもしれません、先に偉い人だと思ってしまうと、ディスカッションの時に遠慮してしまったりする可能性があるので。
エンジョイ!

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