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2024年版 中小企業白書・小規模企業白書の概要が発表されました。

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2024年4月5日に実施された「中小企業政策審議会(第38回) 」において、2024年版中小企業白書・小規模企業白書の概要(案)が発表されました。
分厚い冊子を読むのは、、、、という方は、こちらの概要を読むだけでも中小企業政策の動向が分かりますので、ぜひ参考にしてください。

資料はこちら

白書の概要と考察

2024年版の中小企業白書は、新型コロナウイルスの分類変更やそれに伴う影響、中小企業・小規模事業者の経営環境の変化に焦点を当てています。
価格転嫁や人手不足、生産性の向上、事業承継、経営改善・再生支援が主要なテーマとして取り上げられ、これらの課題の重要性がうたわれています。
また、能登半島地震の影響によるリスク管理の重要性、成長投資やエクイティ・ファイナンスの活用、M&Aの実施状況なども分析されています。
小規模企業白書では、小規模事業者にとっては売上確保が切実である点、新たな担い手としての起業・創業、支援機関の役割と課題がクローズアップされています。

これらの情報から読み取れるのは、中小企業診断士が支援者として直面する課題は多様化していて、それに対応するためのスキルセットも幅広さが求められているということです。
経営環境の変化に応じた柔軟な思考と、具体的な解決策を提案できる能力、また実行支援できるスキルがますます重要となっています。

求められる中小企業診断士像

価格転嫁・人手不足への対策能力

白書によると、価格転嫁や人手不足は中小企業にとって深刻な問題となっています。
中小企業診断士は、コスト管理と労働市場の分析に精通し、クライアントがこれらの課題に対応できるよう支援するスキルが求められます。
人手不足については、労働力としての「アウトソーシング」を受けられる受け皿に中小企業診断士がなることができれば安定した仕事につながっていくと想定されます。

生産性向上への貢献

生産性の向上は企業の競争力を保つ上で欠かせません。
中小企業診断士は、最新のテクノロジーやイノベーションを駆使して、業務の効率化やコスト削減を支援する知識が必要です。
具体的には、ITシステムの導入支援や活用支援、省力化補助金などの中小企業施策の活用支援などが仕事につながると考えられます。

事業承継・経営改善の専門知識

事業承継や経営改善は、中小企業にとって長期的な視点で考慮すべき重要なテーマです。
特にポストコロナにおいて、経営改善を必要とする企業は確実に増えていますので、支援ニーズも高まっています。

リスク管理・成長戦略の提案

地震などの自然災害に見られるように、リスク管理は企業経営に不可欠です。
また、成長戦略としての資金調達やM&Aに関する知識も重要になっています。
これらの分野での専門性を高め、安定した経営基盤の構築をサポートする役割を果たすことが期待されます。

創業・起業支援のノウハウ

新たな担い手を育成するためには、創業・起業を支援する実践的なノウハウが不可欠です。
ビジネスプランの策定から資金調達、マーケティング戦略まで、起業家を全面的にバックアップするスキルが求められます。

まとめ

2024年版中小企業白書を鑑みると、中小企業診断士には、経営課題に対応するための幅広い知識と実行を支援する能力が求められていることが読み取れます。
特にこれから独立を目指す中小企業診断士は、これらのスキルを身につけ、変化する市場に適応できる専門家を目指すべきでしょう。
中小企業診断士としての価値を高め、中小企業の発展に貢献することが、今後の仕事につながる可能性を高める鍵となります。

白書1つとっても、私たちの仕事につながるヒントが満載です。
ぜひ活用ください!

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中小企業診断士 2012年04月に中小企業診断士登録、2013年04月に独立。2014年10月に株式会社コムラッドファームジャパンを設立し代表取締役に就任。 会社経営に加えコンサルタントとして中小企業の売上アップを支援するとともに、稼げる中小企業診断士の育成に力を入れる。TACにて中小企業診断士講座の専任講師も担当(2022年に10年間従事し卒業しました。)している。個人ブログ「神保町で働く中小企業診断士&社長のブログ」もすごくたまに更新中!

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