2024年、中小企業施策の1つの転換は「中堅企業」支援に舵を切ったことだと考えられます。
2024年3月13日「中堅企業等の成長促進に関するワーキンググループ」にて「中堅企業成長促進パッケージ」が発表されました。
支援パッケージは、中堅企業の成長促進と持続的な賃上げを目指して策定されました。
具体的には、従業員数が2000人以下である企業を「中堅企業」として新たに定義。(現在、実施されている通常国会にて産業競争力強化法改正案の成立が見込まれます。)
これにより、中小企業とは異なるニーズを持つこれらの企業に、より適した支援が提供されることになります。
政府がこのたび取りまとめた支援パッケージには、次のような措置が含まれています:
- 大規模な設備投資に対する最大50億円の補助金
- 4%以上の賃上げを行った企業に対する大企業以上の税制優遇
- デジタル化などの必要な人材と企業のマッチングを支援
これらは中堅企業が抱える課題に直接アプローチする内容であり、地方を中心に雇用の受け皿としての役割を果たしている中堅企業にとって、成長の糧となることでしょう。
政府はこの支援を通じて、国内投資の活性化と賃金の上昇を見込んでいます。
私たち中小企業診断士の役割の1つは、国の施策を事業者様に適切に伝え、実行を支援することです。
そのため、このような支援策の情報をクライアントにしっかりと伝え、彼らが新たな支援を最大限に活用できるようサポートすることが求められます。
こうした動きは、中堅企業から私たち中小企業診断士を必要と考えてもらえる大きなチャンスとなります。
ぜひ補助金や税制優遇などの支援内容を理解し、成長戦略にどう組み込むかを支援できる支援スキルを身につけていくべきです。
特に中堅企業における課題として掲げられる「デジタル化」や「新たな人材の獲得・育成」に関する支援のニーズは一層高まるものと想定されます。
私自身、中小企業診断士の仕事を持続可能なものにする1つの方法としてクライアントの規模を高めていくことが必須であると考えています。
そのためには中堅企業に対して支援するスキルを身につけ、私たち中小企業診断士が、クライアントの持つポテンシャルを最大限に引き出し、彼らが新たな高みを目指すための伴走者であり続ける必要があります。
今回の政府の動きは、私たちがその役割を果たす上で大きな意義を持つことは間違いありません。
今回の中小企業施策の転換を1つのチャンスと捉え、中堅企業支援に積極的に取り組んでいきましょう!
その入り口として、今回の「中堅企業成長促進パッケージ」は私たち中小企業診断士の新たな武器になってくれると思います。
平阪 靖規
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