こんにちは。
今年は副指導員として実務補習に参加してきました。
指導員になる過程で通らないといけない道なので、15日コースの1社目だけを担当するという形で参加させていただきました。
そして、2020年2月17日に1社目の実務補習報告会が行われて無事に終了となりました。
約8年ぶりに実務補習の舞台に戻ってきたわけですが、なんだかとても新鮮な感じでござい居ました ^ ^
15日コースの場合は、すべての参加者が実務補習初めてです!という方ばかりですので、1社目は特に初めての実習ということもあってかなり大変だったと思います。
議論があっちへこっちへ飛んで時間ばっかり過ぎたり、Wordで色々とトラブったり、と予想通りのことばかり起きておりました ^ ^
報告書の印刷が完成したのも午前様でした…w
さて、今日はその実習のある日のことがテーマです。
実習参加者の方とお話をしているとこんな言葉が出てきました。
「2次試験ではうまくできたのに、やっぱり実習になるとうまくいきませんね・・・」
2次試験は机上のコンサル。
実習は存在する会社のコンサル。
そりゃ、全く違うものだよ!何当たり前のこと言ってんだよー・・・って言って話が終わってしまっては、身も蓋もありません。
個人的には2次試験の事例問題はとてもよくできていて、中小企業診断士としての資質を最低限図るには、とてもいい問題だと思っています。
だから、2次試験を通っていれば、中小企業診断士として何をアドバイスすべきかの方向性は、しっかり考えられずはずだと思っています。
そんな2次試験を合格した方がうまくいっていないと感じている。
とすると、何が原因なんでしょうか。
僕の中でたどり着いた結論はこれでした。
「2次試験は与件文・設問文が与えられている。だからその情報だけを使って分析し課題設定し提言すればいい。場合によっては課題も与件文に書かれているので、その課題解決のアドバイスをすればいいだけ」
「ところが、実際の実習では与件文も設問文もありません。まずは与件文や設問文を作るところからスタート。自分で与件文・設問文を作り上げて、それから課題や提言を作っていきます。でもこの与件文・設問文作りがうまくいかないまま、課題や提言をまとめていこうとするから、うまくいくはずがないのです」
2次試験は必要な情報がすべて与えられているのですが、実習の世界ではその情報を自らヒアリングという場で引き出し組み立てていかないといけません。
が、ヒアリングって簡単なようで結構難しいです。
集めてきた情報をパズルを組み立てるがごとくみんなで整理していくわけですが、あのピースがないとかこのピースが足りないとか・・・そんなのがたくさん出てきて、足りないピースを埋めきれずに進んでいくので、課題や提言のピントが合わない事態になるわけです。
2次試験で与件文や設問文がなかったら何答えていいかわからないですもんね。
その状況になってしまっているという感じです。
とすると、実習がうまくいかない、なんだか社長に刺さる提案ができなかった・・・となる理由は分析能力とか提言能力がないわけではなく、最初のヒアリングに起因しているといっても過言ではないと思います。
与件文や設問文がしっかり描ければ、2次試験の通りにやればいけるはずですもんね。
実務補習でこの違いをもっと意識してやれば、診断士としての素地がレベルアップできるんじゃないかなと思います。
思いますというよりは、今回こうしてプロコンとして活動できるようになった上で実務補習に参加して強く感じました。
やっぱりヒアリング力つまり聞く力って大事ですよね ^ ^
こればかりは試験では測れないので、この差が実習でできる人とできない人の差になって現れているものだと思います。
社長の本音を引き出すヒアリング力。これ大切ですね!
それでは。
平阪 靖規
最新記事 by 平阪 靖規 (全て見る)
- 8月5日(月)20時よりYouTubeの生配信をいたします! - 2024年8月2日
- 中小企業政策の新たな方向性「100億企業への成長」 - 2024年7月2日
- 認定支援機関になると仕事は増えるのか。 - 2024年6月20日
- 経済財政運営と改革の基本方針2024(原案)から読み解く次年度の予算 - 2024年6月15日
- 中小企業診断士として独立までのロードマップを描いてみよう。 - 2024年6月12日