こんにちは。
僕はそこまですごい歴史に詳しいわけではないのですが、ただいくつか歴史を今の経営戦略に生かすという話で好きなものがあります。
そのなかでもっとも好きなのは
「天の時、地の利、人の和」
という言葉。
これは、戦略が成功する3条件と言われているもので、中国戦国時代の儒学者である孟子(もうし)の言葉とされているものです。
今風な解釈をすれば以下のような感じでしょうか。
- 天の時とは、チャンス。時流にのっているか。
- 地の利とは、ポジショニング。勝てる立ち位置にいるか。
- 人の和とは、チーム。内外のステークホルダーが同じチームとして同じ方向を向いているか。
いいチームを作り、いいポジションをとって、時流に乗ってチャンスをつかめばビジネスはうまくいく。
すごく当たり前のことですが、意外に忘れがちなことだったりします。
今日も創業相談をしていて、このことが頭をよぎりました。
今のタイミングでそのビジネスを行う意味がある??ちょっとタイミング遅くない??
競合と比較して勝てるマーケティング設計(ターゲット、サービス内容、販促方法)になっている??
そもそもこれを実現するためにどうするの??
まさに、「天の時、地の利、人の和」がそろっているのかどうかという視点で、今のままのビジネスでは厳しいですね、というお話をさせていただきました。
一方で、少し考え方を変えることで、「天の時、地の利、人の和」がそろうようになりますよね、というお話もさせていただきました。
そのビジネスがうまくいくのかどうか、それを判断するときのフレームワークとして使えるものだと思います。
ちなみに、「天の時、地の利、人の和」は、単に1つ1つ分解しているわけではなく、孟子(もうし)はこう言っています。
天の時は地の利に如かず。
地の利は人の和に如かず。
→ チャンスがあっても地の利がなければうまくいかない。地の利があっても人の和がなければうまくいかない。
すなわち、なんだかんだでまずは人の和が大事。そのうえで、適切なポジションを選び、チャンスをうかがうことが成功への第一歩という感じでしょうか。
たしかにどんなにいいビジネスモデルもそれを実施するチームが乱れてしまっては絶対にうまくいきません。
弊社もチームとしてまとめようとする中で、失敗して窮地に追い込まれたこともあれば、うまくまとまり経営が安定するという両方の経験をしてきました。
やっぱり「天の時、地の利、人の和」の3つは大事。
ただ、優先すべきは人の和。
経営者として肝に命じつつ、中小企業診断士として支援していく上でも意識したい言葉です。
それでは。
平阪 靖規
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